ドラッグストアや百貨店でよく目にする、ピーリングジェルやスクラブ石鹸。
『くすみがとれてニキビのない美肌に!』『角質をボロボロ落とし、つるつるの卵肌へ!』
と謳った魅力的な商品が多いので、ついつい使ってみたくなりますよね。
でもここでひとつ疑問なのが、“敏感肌にピーリング剤を使っても大丈夫なのか” ということではないでしょうか。そんな疑問を解消すべく、今回はピーリング剤の役割や効果などについてお話していきたいと思います。
敏感肌とは

ピーリング剤ついて解説する前に、まずはみなさんが悩んでいる、敏感肌のメカニズムや原因についてお話していきますね。敏感肌をキチンと理解しておくことで、この後お話するピーリング剤についてもわかりやすくなると思います。
敏感肌という言葉は存在しない!
はじめに言っておきますが、敏感明という病名(医学用語)は存在しません。
そのため、実は敏感肌ってはっきりとした定義がないんです。一般的には、ちょっとした刺激(化粧品や衣類など)で過敏に反応してしまう肌を敏感肌と言いますが、アトピーなどで生まれつきデリケートな肌も敏感肌と呼びますし、生理中のゆらぎ肌も敏感肌と呼びます。
つまり敏感肌といっても、人によって症状は様々で、治し方もみんな異なるってことですね。
敏感肌のメカニズム
では次に、図を交えながら敏感肌のメカニズムについてお話ししましょう。

私たちの皮膚は、外側から表皮・真皮・皮下組織という3つの層に分かれています。
それぞれの層にはさらに細かい層があるのですが、今回注目したいのが表皮の層。
表皮をクローズアップすると、一番外側には角層という層があるんですね。

各層は肌のうるおいをキープして、外敵(紫外線や細菌など)の攻撃や侵入を防ぐバリアの役割を果たしています。とは言っても、具体的には角層に存在するうるおいトリオ、天然保湿因子(NMF)・細胞間脂質・皮脂膜がこの働きをしています。
しかし、これらが何かしらの原因によって減少してしまうと、バリア機能が低下し、肌の水分量も減って、敏感肌になってしまうのです。
敏感肌の原因とは?
なぜうるおいトリオが減少してしまうのかと言うと、
- 間違ったスキンケア
- 不規則な生活習慣
- 季節の変わり目などによる環境の変化
- 生理や妊娠による体調の変化
などが考えられます。特に多いのが間違ったスキンケアです。洗浄力の高い化粧品で天然保湿因子や細胞間脂質を洗い流してしまったり、ゴシゴシ強く擦ることで肌に必要な皮脂膜を落としてしまったりしていることがバリア機能を低下させる原因とみられます。
間違ったスキンケアを続けているとどうなるの?
敏感肌になっても、一生バリア機能が低下しているわけではありません。なぜならば、表皮は新しく生まれ変わるからです。この表皮の生まれ変わりを、ターンオーバーと言います。
【ターンオーバーの仕組み】
- 表皮の一番下にある基底層で新しく細胞がつくられる
- 約2週間かけて角層へ到達する
- そこから約2週間角層に留まり、肌を守るために働く
- 役目を終えて剥がれ落ちる
上記はあくまでも正常なターンオーバーの仕組み。
敏感肌の場合は、弱っている肌を回復させるためにターンオーバーの周期が早くなっています。そのため、角層に到達した細胞はまだまだ未熟な状態です。
しかし、間違ったスキンケアを続けていると、ターンオーバーは正常に戻らず、敏感肌がどんどん悪化してしまうという、負のスパイラルが生じてしまうのです。
ピーリング剤ってどんなもの?

敏感肌について、何となく理解してもらえましたか?
では、次にピーリング剤の役割をお話していきましょう。
ピーリング剤とは
先程ターンオーバーのお話をしましたが、この周期は早くても遅くても問題があるんです。
加齢や体質、スキンケア不足(洗わなさすぎや水洗顔など)によってターンオーバーが遅れると、角層に役目を終えた古い角質が溜まってしまいます。すると、肌が厚くなってくすんで見えたり、古い角質が皮脂と混ざって毛穴を詰まらせたり…といった肌トラブルが起こってしまうんですね。
そこで登場するのがピーリング剤。角層に溜まった古い角質を落とし、遅れたターンオーバーを正常に戻すアイテムってわけです。
ピーリング剤に向いている人・向かない人
ここまでお話すれば、敏感肌にピーリング剤を使ってもいいかどうか、もうお分かりだと思います。
向いている人 | 向いていない人 |
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そうですね、敏感肌にピーリング剤は必要ありません!とは言っても、顔全体が敏感肌なわけではないし、くすみや黒ずみが気になる方もいらっしゃると思います。そんな方は、低刺激のピーリング剤を使いましょう(ピーリングの種類については後ほどお話します)。
ちなみに、乾燥肌の方もピーリング剤はあまり向いていません。しかし、加齢や体質などで古い角質がたまっている場合は、それが原因で肌が乾燥することもありますので、気になる方は一度使ってみてもいいと思います。
敏感肌でも使えるピーリングって?

ピーリングはドラッグストアなどで購入した製品を使って行うセルフピーリングと、皮膚科や美容外科などで行ってもらう医療ピーリングの2つに大きく分類されます。
一番安心できるのは、何といっても専門医の手によって角質を除去できる医療ピーリングでしょう。
しかし、医療ピーリングは保険が適用されないことがほとんどなので、セルフピーリングに比べるとどうしてもお金が高くついてしまいます。
一方、セルフピーリングは使用するピーリング剤によって価格もピンキリですが、ドラッグストアで販売されているものだと大体1,000~3000円で行うことができます。
セルフピーリングをする場合は、ゴマージュやスクラブ洗顔ではなく、ジェル状のマイルドピーリングを使いましょう。
セルフピーリングの種類
セルフピーリングは、主にマイルドピーリング・ゴマージュ・スクラブ洗顔で行うことができます。これらの違いを簡単に説明しましょう。
マイルドピーリング
マイルドピーリングは低刺激の薬剤を肌に塗り、タンパク質を溶かして古い角質を浮かび上がらせる方法です。薬剤はアルファヒドロキシ酸(AHAやフルーツ酸とも呼びます)やサリチル酸などの酸を配合しているものや、タンパク質を分解するパパイン酵素を使用しているものがあります。
ゴマージュ
ゴマージュはハーブや植物の種、こんにゃくなどを砕いた粒子で物理的に肌表面の古い角質をはがす方法です。肌を擦って角質を落とすため、バリア機能が弱っている敏感肌には不向きです。
スクラブ洗顔
スクラブ洗顔もゴマージュとほぼ同じで、天然の粒子を配合した洗顔料で古い角質を落とします。直接肌に塗るゴマージュより負担は少ないですが、スクラブ洗顔も敏感肌には刺激が強いので控えたほうがよいでしょう。
・摩擦がない洗い流すジェルタイプがおすすめ
マイルドピーリングはふき取るタイプから洗い流さないクリームタイプまで、様々な形状のタイプがあります。敏感肌は肌に刺激を与えずスキンケアを行うことが絶対条件なので、ピーリング剤を使うときは一番摩擦が少ないジェルタイプを選びましょう。
低刺激ピーリング剤ランキング

ではここで、なるべく肌に負担をかけないマイルドピーリング剤をランキング形式でご紹介していきましょう。実際に使用した方の口コミも併せてご紹介しますので、是非参考にしてみてくださいね。
【第3位】 ナチュラルアクアジェル Cure(東洋ライフサービス)
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内容量 | 250g |
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価格 | 2,700円(税込) |
タンパク質を溶かすのではなく、反応させて白く浮き上がらせる画期的なマイルドピーリングジェルです。内容成分も非常にシンプルで、香料や着色料、防腐剤は一切使用していません。 |
〈口コミ〉
週に一回使用しています。けっこうぽろぽろ出るのですが、今のところ肌に負担を感じることなく使えています。化粧水の浸透がすごくよくなりますし、黒ずみなんかがなくなってきたような気がします。
参考:@cosme口コミ(ultra-soulさん/40歳・敏感肌)
【第2位】角質ポロポロジェル和から(アレトコレ)
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内容量 | 150g |
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価格 | 1,500円 |
こちらのピーリングジェルは肌に負担が少ない和漢発酵植物エキスを配合しています。
溜まって古い角質を優しく除去し、あとから使うスキンケアアイテムの浸透力をグンと高める優れもの。 |
〈口コミ〉
今までのピーリングと違い電解還元イオン水、お水で落とすので必要以上に角質を落とさず肌にやさしい処方になっているそうです。半透明のとろみのあるテクスチャーで1~2プッシュを肌に乗せてくるくるマッサージするように肌に馴染ませるとポロポロ古い角質が落ちていきます。敏感肌のわたしにも問題なくつかえて良かったです。使用後は肌がツルツルと化粧水も入りやすいような感じがしました。
参考:@cosme口コミ(yuri-aさん/53歳・敏感肌)
【第1位】リメイ インバスピーリングジェル(アンドシーム)
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内容量 | 250ml |
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価格 | 1,980円(税抜) |
名前の通り、お風呂でも使えるピーリング剤です。もちろん濡れた手でもOK!
また、保湿成分のヒアルロン酸・セラミド・コラーゲンがピーリング後の乾燥肌をサポートしてくれます。保湿しながら角質もケア出来るなんて、一石二鳥ですね♪ |
〈口コミ〉
オールインワン同様に刺激はほとんどなくて乾燥もしにくいみたい。リピしやすい値段も気にいってます!しっかりピーリングはできているようで、肌はつるつるになるので触っていて気持ちいいです。
参考:@cosme口コミ(michica☆彡さん/29歳・敏感肌)
正しいピーリング方法

どんな肌質であろうと、間違ったピーリングを続けていると、必ず肌の状態は悪化します。
これ以上肌トラブルを起こさないためにも。ピーリングを行う際は細心の注意を払いましょう。
効果的なピーリング方法
ピーリングはなるべく肌に刺激を与えずに行うのが一番。
摩擦を減らすためにも、ピーリングを行う前に温かい蒸しタオルを顔にのせましょう。
毛穴が開き古い角質がふやけてとれやすくなりますよ。
また、ピーリング剤は絶対に顔に擦りつけないこと!くるくるとマッサージをするようにやさしくなでるだけでOKです。
ピーリングはどれぐらいの頻度で行うべき?
古い角質は1日で溜まらないので、ピーリングは最低でも1週間はあけて行いましょう。敏感肌の場合は2週間~4週間に1回でもいいと思います。
ピーリングのアフターケアも欠かさずに!
ピーリングで角質層を落とした後の肌はとってもデリケート。特に敏感肌の方は、そのまま放置しているとどんどん痒みや赤みが出てくる可能性があるので注意しましょう。
ピーリングを終えたら、すぐに肌の保湿を行うこと!おすすめの敏感肌用スキンケアアイテムは、以下の記事でご紹介しています。
口コミ評価の高い商品をランキングで発表していますので、そちらも是非チェックしてみてくださいね♪
皮膚科&エステ美容外科で行えるピーリング

セルフピーリングに抵抗があるけど角質はとりたい!という方は、皮膚科や美容外科で行う医療ピーリングを利用するのもアリ。病院で行うピーリングは、以下のものがあります。
種類 | 費用(1回あたり) | 行う頻度 |
---|---|---|
ケミカルピーリング | 5,000円~20,000円 | 2~4週間に1回 |
ダイヤモンドピーリング | 10,000円~20,000円 | 1ヵ月に1回 |
クリスタルピーリング | 10,000円~20,000円 | 2~4週間に1回 |
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは医療ピーリングの中でも一番ポピュラーな施術です。
ピーリング方法はマイルドピーリングと似ていて、酸性の薬剤を顔に塗り、古い角質を溶かして除去します。
使われている薬剤は主にサリチル酸やグリコール酸ですが、病院によって乳酸やフルーツ酸、トリクロロ酸を使うところもあります。これらを使ったケミカルピーリングは、ドラッグストアなどで販売されているピーリング剤より効果が高いため、敏感肌の方は施術直後に肌が赤くヒリヒリしたり、乾燥する場合があります。
ダイヤモンドピーリング
ダイヤモンドピーリングはレーザーを使ったピーリングで、肌表面の角質を削っていく施術です。顔のパーツや肌の状態によって最適なヘッドを使用するため、顔のザラつきなどをきれいに整えることができます。
クリスタルピーリング
こちらもレーザーピーリングの一種で、酸化アルミニウムという細かい粒子を利用して角質を落とす施術になります。
酸化アルミニウムは化粧品や歯の研磨剤なんかにも使われている人体に無害な物質なので、もちろん敏感肌の方にも使うことはできます。しかし、施術後は他のピーリングと同じように、若干ヒリヒリする場合もあるので注意が必要です。
まとめ
ピーリング剤は古い角質を除去して、遅れているターンオーバーを正常に戻すスキンケアアイテム。ですから、既にターンオーバーが早くなってしまっている敏感肌さんは、ピーリング剤を使っても逆効果になってしまうってわけなんですね。それを理解した上で、もし今後ピーリングを行うのであれば、低刺激のマイルドピーリングジェルを使うか、専門医と相談して肌に負担の少ない医療ピーリングを行っていきましょう。いずれにせよ、やりすぎにはくれぐれも注意してくださいね。
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