ここ最近敏感肌にお悩みの方が増えているようですが、みなさんは普段、どのようなスキンケアをされていますか?
肌を傷めないように泡立ちの良い石鹸を使ったり、肌に一番やさしいと言われる固形石鹸を使ったり、各々涙ぐましい努力をなさっているかと思います。
しかし、本当にそのスキンケアは正しいのでしょうか?もし泡立ちの良い石鹸や、固形石鹸が肌に負担をかけていたら…。今回はデリケートなお肌にも使える“本当に肌にやさしい”石鹸の選び方と、敏感肌におすすめの洗顔料・ボディ用石鹸をご紹介していきたいと思います。
あなたの肌は本当に敏感肌?
実は敏感肌という言葉は、医学用語では存在しません。
ですが、赤み・ニキビ・湿疹などができやすい、乾燥して常に粉吹きイモ状態、化粧品でいつもピリピリかぶれる…などなど、一般的にこれらの症状を敏感肌と呼んでいます。
敏感肌は特に定義がないのですが、タイプで分けると、もともと肌が弱い“生まれつき敏感肌”タイプと、環境の変化や体調によって肌がデリケートになる“自称敏感肌”タイプがあります。それぞれのタイプについて特徴を見ていきましょう。
生まれつき敏感肌タイプ
家族や自分自身がアレルギー体質の方に多いのがこのタイプ。
また、幼少期からアトピーやぜんそくを起こしていた方も、生まれつき肌が弱い敏感肌に多く見られます。
自称敏感肌タイプ
普段は何ともないのに、間違ったスキンケア・紫外線・クーラーなどの外的要因や、ストレス・生理・睡眠不足などの内的要因によって急に肌がデリケートになるタイプがこの自称敏感肌タイプです。敏感肌の半数以上がこの後天的なタイプであると考えられています。
敏感肌になる原因は?
私たちの皮膚には、バリア機能と呼ばれるセンサーのようなものが備わっています。
ほこりや細菌などの外敵から体を守ったり、肌の水分が蒸発するのを防いだりできるのは、バリア機能が正常に働いているおかげです。
しかし、生まれつき敏感肌も自称敏感肌も、このバリア機能が低下しているために肌トラブルを起こしやすくなってしまいます。
どんなときにバリア機能が低下してしまうのかと言いますと、ズバリ肌の水分量が減少しているときです。
改善策
水分量が少ない=肌が乾燥している状態ですから、まずはこれ以上肌の水分量が減らないようにしていくことが必要です。
そこで今日からすぐに始めてほしいのが、正しいスキンケア方法です。
「要は保湿をすればいいんでしょ?」と、既に化粧水や保湿クリームで入念に保湿している方もいらっしゃると思います。
確かに肌にうるおいを与えることも大事ですが、もともと肌にあるうるおい成分を流してしまってはプラスマイナス0。
肌のバリア機能を高めていくためには、もともとあるうるおい成分を保ちながら、水分を補給していくことが大事です。ですから今回は化粧水やクリームではなく、肌のうるおいを守る石鹸やボディウォッシュに注目してお話を進めていきたいと思います。
石鹸の基礎知識を学ぼう
スキンケアを始めていく前に、まずは石鹸の基本的な知識についてお話していきましょう。
そもそも石鹸とは?
ところでみなさんは、石鹸がどのようにできているか知っていますか?
石鹸は、植物や動物の油脂・脂肪酸と、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ性物質を反応させてできた界面活性剤の1種です。
界面活性剤って?
界面活性剤とは、本当なら混ざることのない水と油をくっつける物質のことです。体の中に油となじみやすい部分と、水になじみやすい部分があり、その性質を利用して洗浄や乳化をすることができます。
界面活性剤は、石鹸のように天然の成分を反応させてつくったものと、人工的に合成されたものがあり、一般的には人工的につくられたものを合成界面活性剤と呼んでいます。(※ただし、マヨネーズやホイップクリームなどの食べ物に含まれている食用の界面活性剤も合成界面活性剤と呼ばれることがあります)
石鹸の種類
石鹸は原料となる油脂や脂肪酸の種類、製造過程などによって、洗浄力や泡立ち、溶けやすさが異なります。また、形態も固形石鹸、粉末石鹸、液状石鹸、練り石鹸など様々。
そんな奥の深い石鹸ですから、どれを使ったらいいのか迷ってしまいそうですね。でも大丈夫!これから紹介する石鹸の選び方をマスターすれば、必ず自分の肌に合った石鹸が見つけられるはずです。
敏感肌にやさしい石鹸の選び方
では、どんな点を押さえて石鹸を選べばいいのかご紹介したいと思います。
見た目で確認できる肌にやさしい石鹸
最初にチェックしたいのが石鹸の透明度です。石鹸は透明であればあるほど保湿力が高く、洗浄力がマイルドです。
反対に、見た目が不透明な石鹸はグリセリンや砂糖(スクロース)などの保湿成分が少なめで、洗浄力の強い成分がたくさん入っています。肌へのやさしさを考えるのなら、なるべく透明度の高い石鹸を選ぶようにしましょう。
内容成分は必ず確認
石鹸に限らず、スキンケアアイテムや化粧品を選ぶ際に、内容成分を確認するのは基本中の基本。購入前は必ず石鹸の成分を確認しましょう。
石ケン素地
石鹸は内容成分に『石ケン素地』と記載されているものがほとんど。石ケン素地とは、先程お話した石鹸の基本的な原料(脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウム)を指します。
石ケン素地としか記載されていない石鹸が多いですが、稀に石ケン素地(○○、△△、××…)というように詳しい表記がされているものもあります。そういったときは、保湿効果に優れた植物の油脂(オリーブ油やシアバターなど)が配合されているものを選びましょう。
石ケン素地と記載されていない石鹸
石ケン素地と記載されていない石鹸の中には、石油を原料として作っているものもあります。石油から合成されている石鹸は肌への負担が大きいので、購入は控えた方がベター。
以下の成分名が載っているものは要注意!
アシルイセチオン酸塩、N-アシル-L-グルタミン塩酸、N-アシルメチルタウリン塩、トリエタノールアミン塩などなど
グリセリン
敏感肌用石鹸で一番欠かせないのが、保湿成分のグリセリンです。
グリセリンは植物や動物、私たちの体内にも存在している成分で、水になじみやすく、吸湿性も持ち合わせているのが特徴です。肌を乾燥させないためにも、グリセリンが配合されている石鹸でしっかり水分をキャッチしておきましょう。
製造法も要チェック!
石鹸の製造は、数時間でつくれる中和法と、数日かけてゆっくりとつくるけん化法の主な2種類。それぞれの方法で保湿性も変わってきますから、製造方法にも目を向けてみるといいですよ。
中和法
中和法は、あらかじめ油脂を脂肪酸とグリセリンに分解し、脂肪酸のみをアルカリ(水酸化ナトリウムや水酸化カリウム)と反応させてつくる方法です。なので、グリセリンは含まれていません。その代わり、短時間で大量に生産することができます。
けん化法
けん化法は、油脂そのものをアルカリ性と加熱させてつくる方法です。窯炊き製法などと記載されている商品もこの製造方法です。作るまでに数日かかりますが、グリセリンが残っているので保湿効果が期待できます。
コールドプロセス法
あまり見かけませんが、けん化法に似た製造方法で、高温ではなく低温でじっくりと時間をかけてつくるコールドプロセス法というのもあります。
手作り石鹸に多く、完成するまでに数カ月はかかります。
敏感肌には刺激が強め!避けておきたい石鹸の特徴とは?
私たちの肌はpH4~6.5の弱酸性。pHの値が上がりアルカリ性に傾くと、炎症を起こしやすくなったり、アトピーが悪化したりします。
アルカリ性の石鹸を使用すると一時的に肌がpH8前後に傾きますが、体内で分泌される皮脂や汗のおかげで15~30分程度で元の状態に戻すことができます。ただし、これはあくまでも健康的な肌の場合。敏感肌はこの機能が衰えているわけですから、なるべくならアルカリ度数の少ない石鹸を選んだ方が良いでしょう。
敏感肌に人気の石鹸ランキング
ではここで、内容成分・口コミ・コスパの評価が高いおすすめの石鹸をご紹介していきたいと思います。
カウブランド 青箱 さっぱり(カウブランド)
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内容量 | 85g |
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価格 | 80円(税抜) |
白雪の詩(ねば塾)
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内容量 | 180g×2 |
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価格 | 280円(税抜) |
アレッポの石鹸 ノーマル(アレッポの石鹸)
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内容量 | 200g |
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価格 | 630円 |
正しい洗い方
最後に、石鹸を使った正しい洗顔、ボディケアの方法を学んでいきましょう。
洗顔の基本
洗顔の基本は泡で洗うこと。洗浄力がマイルドな石鹸は泡立ちが悪いものが多いですが、泡立てネットを使うことで解決しますよ。
また、泡立てている最中に、ホホバオイルやオリーブオイルを数滴加えるだけで、さらにキメの細かい泡をつくることができるのでおすすめです。
そして、洗顔はとにかくスピード重視!長時間の洗顔は肌へのダメージが大きくなってしまいます。もちろんお湯洗顔も肌を乾燥させてしまうためNG。32~34度ぐらいのぬるま湯で洗いましょう。
ボディケアの基本
体は部位によって、角質の厚さや皮脂の分泌量が異なります。皮脂腺が少なく、乾燥しやすい部位はなるべくゴシゴシ洗うのを控え、皮脂腺の多い部位を中心にやさしく洗っていきましょう。
〈皮脂腺の多い部位〉
胸、腹、脇、背中
〈皮脂腺の少ない部位〉
腕、脚
クレンジング・洗顔後の保湿は必須!
お肌の汚れをスッキリさせたら、最後は必ず保湿をしましょう。特に冬場の乾燥しやすい季節は顔だけでなく、体の保湿ケアも必要です。
保湿力の高い低刺激化粧水は以下の記事に載せていますから、乾燥しがちな敏感肌さんは是非チェックしてみてくださいね!
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まとめ
敏感肌に足りないものはズバリ“肌のうるおい”です。化粧水や乳液などで水分・油分を補うことももちろん大事ですが、まずは肌のうるおいをこれ以上減らさないこと!そのためにも、洗浄力がマイルドな固形石鹸を使ってやさしく肌を洗いましょう。
また、体は部分によって角層の厚さも異なるので、石鹸は洗顔用・ボディ用と分けて使うことをおすすめします。