みなさんは普段、化粧品を購入する際にキチンと内容成分を確認していますか?
おそらく、大抵の方はじっくり見ていないと思います。
だって聞いたこともない成分名を見たところで、肌にどんな影響があるのかわからないですもんね。
しかし、ポピュラーな成分を覚えておくだけでも、自分に合った化粧品はもっと見つけやすくなりますよ!というわけで、今回は化粧品の中でも見かけることの多い、エタノール(アルコール)についてお勉強していきましょう。
目次
エタノールってどんな成分?

エタノールやアルコールと聞くと、肌に良くないイメージがありますよね。
ですが、そんな悪い成分がなぜ色々な化粧品に入っているのかも疑問に思いません?
まずはエタノールが化粧品にどうして配合されるのか、成分の種類や効果を学んでいきましょう。
エタノールはアルコールの一種
最近は“アルコールフリー”と記載された化粧品も多いためか、アルコールとエタノールは別々のものだと思っている方も多いよう。
しかし、エタノールは化粧品に含まれている成分のことで、大きなカテゴリーで言えばアルコールの種類です。
エタノールのように、アルコールと記載されていないけれど、アルコールの仲間である成分は意外にもたくさんいます。
アルコールの種類 | |
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第一級アルコール |
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低級アルコール |
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高級アルコール |
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ちなみに、“低級”や“高級”というのは品質の問題ではなく、炭素数の違いで明記されています(こちらに関しては説明が複雑になるので省略します)。
奥が深いアルコールですが、一般的なアルコールといえば、ほとんどがエタノールを指します。
お酒や燃料、防腐剤にも!?マルチに活躍するエタノール
マイナスイメージのあるエタノールですが、実は化粧品以外にも、私たちの身近なところで活躍しているんですよ。
飲食物

エタノール=アルコールと聞いて真っ先に思いつくのがお酒ではないでしょうか。
その通り、エタノールはお酒の主成分です。(※詳しく言うと酒類に使われる変性アルコールの主成分なので、エタノールを薄めて飲む等の行為は絶対にやめてくださいね)
また、防腐剤として食品添加物に使われることもあります。
医薬品

エタノールは消毒液に使用されていることでも有名ですが、実は心臓薬や抗生物質製剤にも使われることがあるんですよ。
さらに、メタノールやエチレングリコールなどを誤飲した際の解毒剤にも使われます。
その他(洗剤や石鹸、燃料など)

他にも、家庭では洗剤や化粧石鹸に使われていることがあります。また、染料・インク・溶剤・液体燃料・写真フィルムなど、様々なところでみなさんの役に立っているんですよ♪
化粧品にエタノールを配合する理由
前項でご紹介したエタノールの活躍っぷりに、「へぇ~、エタノールってそんなに悪い成分じゃないのかも!」と思った方も多いことでしょう。
しかし、肌につけるものと考えてみたら…やはり躊躇してしまう方が多いかもしれませんね。
それでは次に、エタノールが化粧品でどのような役割を果たしているのか見ていきましょう。
品質維持のために防腐剤として
化粧品は種類によって目的も異なりますが、大抵は品質維持のために防腐剤として配合されます。
化粧品はアミノ酸や天然油脂など、保湿成分が含まれているものがほとんど。ところが驚くことに、これらはカビや微生物のエサにも実はなってしまうんです。
化粧品は食品に比べても使用期間が長く、微生物に汚染される危険性も高いので、肌トラブルが起こりやすくなります。そういったことから、防腐剤を配合しているものが多いんですね。
殺菌作用でニキビの改善に
エタノールが消毒液や外用薬にも使われているわけは、高い殺菌作用があるためです。
従って、ニキビの原因であるアクネ菌を殺菌し、ニキビ肌の改善をする目的としても配合されることがあります。
揮発性を利用して使い心地を気持ちよく
消毒剤を使ったことがある方は分かると思いますが、エタノールには“揮発性”という、水分を気化させるような性質があります。この揮発性を利用して、「肌に水分が浸透した!」と思わせるためにエタノールを配合している化粧水なんかもあります。
また、スーッとした清涼感を持たせるために使うことも。このような配合目的はさっぱりタイプの化粧水に多いですね。
乾燥肌・敏感肌にエタノールはNG!?

「なーんだ、エタノールって別に悪い成分じゃないじゃん!」とすっかり安心しきっているあなた!
そうなんです。エタノールは決して有害な成分ではありません。
しかし、ある肌質の方にはエタノールをあまりおすすめできないんです…。どんな肌なのかと言いますと、ズバリ!“乾燥肌”と“敏感肌”の人です。
エタノールを使う前に知っておこう!乾燥肌と敏感肌のこと

エタノールがおすすめできない乾燥肌と敏感肌、大体想像はつくけど、具体的にはどんな肌のことを指すのでしょうか。
バリア機能の低下で起こる乾燥肌
乾燥肌はその名の通り、肌のうるおいが不足し、ひどく乾燥した状態の肌を指します。
本来私たちの肌は、表面の角層にある天然保湿因子・細胞間脂質・皮脂がバリアとなってうるおいを保っています。
しかし、何らかの原因(加齢や間違ったスキンケア)で、このバリア機能を担う因子が減少すると、水分量が足りない“乾燥肌”になってしまうんです。
乾燥肌がすすめば敏感肌に
乾燥肌が続き、バリア機能がどんどん低下していくと、うるおいを保てなくなるばかりではなく、外部の刺激にも影響されやすい敏感肌に進化してしまいます。
この状態になってしまうと、使える化粧品も制限がかかり、ちょっとした刺激でも肌トラブルを起こしやすくなります。
乾燥性敏感肌に関しては、以下の記事で詳しくご紹介しております。乾燥にお悩みの方、化粧品でヒリヒリしてしまう敏感肌の方、是非こちらも必見です!!
エタノールはなぜ乾燥肌・敏感肌に向いていないの?

先程お話したエタノールの特徴をよーく思い出してみると、なぜ乾燥肌や敏感肌に合わないかが分かってきます。
向いていない理由① 肌の水分を蒸発させてしまうから
エタノールは揮発性成分だとお伝えしましたね。
まさしくこの性質が、乾燥肌・敏感肌の一番の問題点なんです。というのも、エタノールは化粧水などに含まれている水分を蒸発する際、肌のうるおいも一緒に蒸発させてしまうことがあるからです。
向いていない理由② 殺菌作用で肌の免疫力が下がるから
私たちの肌には、常在菌という菌が存在しています。実はニキビの原因であるアクネ菌も、常在菌のひとつってご存知でした?
「え~っ!」って思うかもしれませんが、アクネ菌はちゃんと毛穴から他の菌が侵入してくるのを防ぐ役割があるんですよ。
と、まあアクネ菌の話はここまでにしておきますが、とにかく常在菌は肌の健康状態は保つために欠かせない菌なんですね。
ところが、殺菌作用の強いエタノールによって常在菌が殺されてしまうと、肌の免疫力はガクンと落ちてしまいます。
バリア機能が低下した肌の免疫力をさらに落とすとどうなるか…。考えただけでも恐ろしいですね。
普通肌や脂性肌など、他の肌質はエタノールを使っても大丈夫なの?
では、普通肌や脂性肌の人はエタノール入りの化粧品を使用しても大丈夫なのでしょうか。
これは個人差がありますが、大抵の方はエタノールを配合された化粧品を使用しても問題ありません。
ただ、日本人の約半数はアルコールアレルギーの素質を持っているようなので、「エタノール入りの化粧品で肌荒れを起こした」「エタノールで肌が痒くなった」という方は、すぐに使用を中断し、専門医に相談することをおすすめします。
乾燥肌・敏感肌さん必見!エタノールの他にも気をつけたい成分一覧

乾燥肌・敏感肌が気をつけなくてはいけない成分はエタノールだけではありません。他にも注意しておきたい成分を確認しておきましょう。
パラベン

エタノールと同じく、防腐剤として使われている成分です。配合量が多くなると、抗菌力が高くなるので、その分肌への刺激も強くなります。
しかし、最近はBGやペンチレングリコールなど、制菌作用を持った保湿成分と組み合わせて配合されることも多いため、パラベン自体の配合量が少ない商品も増えつつあります。
レチノール

古い角質を除去し、肌のターンオーバー(生まれ変わり)を促進させるピーリング効果があります。
乾燥肌や敏感肌は既にターンオーバーが早いため、避けた方がよいでしょう。
紫外線吸収剤

紫外線吸収剤はその名の通り、紫外線を吸収し、肌の上で別の物質に化学反応させるものですが、その際に肌に負担がかかってしまいます。
紫外線吸収剤よりでしたら、紫外線を肌の上で反射させる紫外線散乱剤の方が肌への刺激は弱めです。
ハイドロキノン

メラニンの発生を抑え、シミを防ぐ効果がありますが、敏感肌への刺激は強めです。
カプセル化されたタイプなら大丈夫だと思いますが、心配な方は肌の状態が回復してから使用した方がおいいと思います。
着色料

カラーコスメには欠かせない着色料ですが、基礎化粧品には不必要です。特に、発がん性があると言われているタール色素には要注意。
敏感肌の方が使うと皮膚障害を起こす可能性もあります。
香料

リラックス効果や気分を変える目的で配合されていますが、肌には本来不必要な成分です。
また、植物由来の精油(エッセンシャルオイル)の中にも刺激が強いものがありますから気をつけましょう。
※ホホバオイルやオリーブオイルなど、保湿目的で使用されている場合は使ってもOK
今回ご紹介した成分の他にも、肌に刺激を与える成分はまだまだたくさん存在します。
また、一見肌にやさしそうな植物由来のオイルなども、肌の状態によってはダメージを受けてしまうことが。
ですから、“無添加”や“オーガニック”という耳障りの良いワードに惑わされず、商品を購入する際は配合成分をチェックしておくことが必要です。
無添加化粧品やオーガニックアイテムに関しては、以下の記事をご参照ください。
エタノールが入っていない!アルコールフリー化粧品

エタノールは決して悪ではありませんが、やはり肌の状態がデリケートな時期は使用を避けたいところ。ということで今回は、エタノールが使われることが多いクレンジング・化粧水・乳液に注目してアルコールフリーの商品をご紹介したいと思います!
アルコールフリークレンジング
クレンジングはふきとりシートからオイルタイプまで、どのタイプにもエタノールが配合されていることが多いです。そんなクレンジングですが、果たしてアルコールフリーの商品はあるのでしょうか…?
純米化粧落とし(リアル)
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内容量 | 150g |
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価格 | 1,058円(税込) |
落ちにくいマスカラや口紅をすっきりと落とすジェルタイプのクレンジング剤です。米ぬかに含まれる植物セラミドが角質層の水分を保持し、バリア機能のサポートをします。
この価格でこのクオリティーは凄い!たっぷり入っているし、米ぬかが肌をスベスベにしてくれる♡クレンジング力もあって汚れが綺麗に落ちます( *´艸`)あと、水に濡れた手でもちゃんと使えるってとこもお気に入りです。(35歳・乾燥肌)
テラクオーレ ダマスクローズ クレンジングミルク(イデアインターナショナル)
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内容量 | 125ml |
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価格 | 3,500円(税抜) |
イタリアの有機認証機関socertが認めるオーガニック原料を使用したオーガニックローズのミルククレンジングです。油性の汚れをオフするオリーブオイルと、水性の汚れを取り除くオリーブ石鹸の力で、W洗顔不要の使用になっています。
今まで肌の乾燥がひどくて、保湿ケアに命を掲げていましたが、年を重ねて今度は肌がだんだん敏感に(泣)これ以上肌に負担をかけたくないので、W洗顔を控えることにしました。そこで見つけたのがこのクレンジングミルク\(^o^)/パッケージも香りも女子力高めで私好み、ローズのいいにおいでうっとりしながら毎日クレンジングしています(笑)やさしいテクスチャーで本当に肌にやさしい感じ♪これなら花粉にも負けない強い肌が手に入れられそうです!(26歳・敏感肌)
アルコールフリー化粧水
お次は化粧水です。こちらもエタノールが配合されている商品をよく見かけますね。
さてさて、ではアルコールフリーの化粧水を見ていきましょう。
明色無香料アストリンゼン(明色化粧品)
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内容量 | 170ml |
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価格 | 700円(税抜) |
余計なものを加えていない低刺激処方なので、乾燥性敏感肌の方でもお使い頂けます。また、この価格でセラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸が入っているのはかなりお得です!
クレンジングジェルにありがちなポロポロがないことに感動。価格が安いのでいつも使っています。毛穴の汚れがクリーンになるのに、うるおいはなぜか長持ち。バリア機能を守りながら汚れを落とせているんだなぁ~と関心。最近では化粧崩れも減って、肌にツヤが出てきました。(32歳・乾燥肌)
天使の美肌水(大白化学工業)
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内容量 | 310ml |
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価格 | 680円(税抜) |
水・グリセリン・尿素と、非常にシンプルな配合なので、子供から大人まで使うことができます。たっぷり入って全身に使えるところもいいですね♪
今まで使ってきた化粧水の中でも超シンプル!でも他の化粧水レベルでしっとりしますよ。他の化粧品は何を余計に入れているんだろうって感じww乾燥が気になる人はクリームを併用すればなんてことないし、高い化粧品にお金をかけるより全然シンプルでいい。おすすめです!(23歳・敏感肌)
アルコールフリー乳液
肌にうるおいを閉じ込める目的の乳液に、アルコールなんて不必要!さあ、アルコールフリーの商品は何があるのでしょうか。
ミルふわ ベビーミルキーローション(和光堂)
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内容量 | 150ml |
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価格 | 650円(税抜) |
母乳に含まれる成分をお手本に、保湿効果の高い成分がギュッと詰まった乳液です。しっかりのびるので、顔だけでなく全身の保湿にもおすすめ。
乳液そのもののテクスチャーで、使い心地が良く気持ちいいです。首元が乾燥でガサガサでしたが、これを使った途端かなり良くなりました。やっぱりエタノールって私に合わなかったんだな…(´;ω;`)今は肌が安定していていい感じです。(34歳・アトピー肌)
エイジングケア乳液・高保湿タイプ(無印良品)
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内容量 | 50ml |
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価格 | 476円(税込) |
しわやたるみなどのエイジングケアはもちろん、乾燥が気になる方にもってこいの乳液です。ヒアルロン酸やコラーゲンなどの保湿成分を配合し、ふっくらモチモチ肌へと導きます。
しっとり感が半端ない( *´艸)値段も安いし保湿力も高いし、言うことありませんっ! 最近乾燥がひどい首やデコルテもカサつかなくなりました。全身に使えてとても助かっています(∩´∀`)∩(29歳・乾燥肌)
まとめ
アルコールフリーと謳った化粧品がここ最近増えたためか、みなさん『アルコール=肌に悪い』と思いがちですが、実はちゃんと理由やメリットがあって配合されていたんですね。
しかし、アルコールの殺菌作用や揮発性は乾燥肌・敏感肌にとって少しハードルが高いので、なるべくなら避けた方がよさそうですね。
また、アルコール以外にも刺激の強い成分は化粧品にたくさん隠れています。少しでも成分を覚えて、化粧品選びに役立ててくださいね。
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